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『のまねこ』や『Num1000』など、かつて2ちゃんねるのFlashアニメが全盛期だった頃、それらクリエーターを支える支援サイト的な役割として君臨していた(・∀・)イイ・アクセスが、2011年8月1日をもってサイトが閉鎖された。FLASH黄金期という言葉があるように、2ちゃんねるのFlashアニメーション文化は人々の記憶から徐々に忘れ去られようとしていた。


現在では『Flash黄金期』という言葉すら耳にすることが無くなったので念の為説明するが、現在のニコニコ動画やYouTubeのような動画コミュニティサイトが存在する以前、動画クリエーターたちはこぞってFlashというアニメーションオーサリングツールを使い、2ちゃんねるのキャラクターをあしらったアニメーションを作り、クリエーター同士腕を競い合っていた。

そのコミュニティの場としては、もちろん2ちゃんねるが使われていたが、膨大な2ちゃんねるのスレッドから『良い作品』を見つけ出すのは一苦労。そこで登場したのが『(・∀・)イイ・アクセス』である。

今で言うまとめブログの走りのようなものだが、当時はブログすらまだ珍しい時代なので、毎日更新されるFlash作品の紹介は画期的であった。

『Flashのアニメーションなんか見て何が面白いのか』と思うかもしれないが、当時はそれぐらいしか楽しみがなかったと言うと過言かもしれないが、いずれにせよアンダーグラウンドの世界ではもっぱらFlash閲覧は娯楽のひとつで、サブカルチャーとして定着しつつあった。

ちなみに『(・∀・)イイ・アクセス』が登場したのは、今から9年7か月前なので2001年ごろである。ニコニコ動画の二の字も存在しない頃だ。その頃ちょうど、2ちゃんねるが閉鎖する騒動があった頃だった。

参考:ある騒動の記憶(UNIX)


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(Flash:夢の中へより)

Flashは素人でも手軽にアニメーションを作れるという点から、爆発的に普及しまるでATARIショックのように次々とFlash作品が作られていったのである。
当然駄作も多かったが、面白い作品も多くそれを見つける為にはやはり『(・∀・)イイ・アクセス』の存在なしではいられず、サイトへのアクセス数は爆発的に増加。当初30,000PVほど稼いでいた。
(当初個人サイトで30,000といったらありえないほど異常な人気サイトだった)

当然似たようなサイトも次々に登場したが、『(・∀・)イイ・アクセス』を超えるサイトは登場しなかった。『(・∀・)イイ・アクセス』が凄いのではなく、『(・∀・)イイ・アクセス』さえあればいいだろうぐらいの勢いだったのだと思われる。

その間、クリエータのスキルは徐々に増加、紅白Flash合戦やFlashBombなるオフラインのイベントまで登場、『スキマ産業(num1000)』『G-Style(歳シリーズ)』『ポエ山(ゴノレゴシリーズ)』といった様々な人気クリエータが誕生。2ちゃんねるFlashアニメは単なるアソビではなくプロの域に達するようになってきた。あまりのレベルの高さに、本格的にプロに転身する者まで現れだした。

そんな2ちゃんねるFlashアニメに転機が訪れる
2004年の頃だった。

―のまねこ騒動と転機



のまねこ騒動だ。ついにFlash作品を企業が買い取り始めたのだ。当然金が絡むとユーザは黙っていない。買収した企業を罵る者、企業に電話をかける者、批判サイトを立ち上げる者、様々だ。

『(・∀・)イイ・アクセス』の立場としては、あくまで中立的に騒動を紹介するのみだった。それでよかったのかもしれないが、彼の中で葛藤はあったのかもしれない。

Flashと金。
出会ってはいけない二人が出会ってしまったことにより、かつては『才能の無駄遣い』と賞賛されてきたクリエータも『才能の有効活用』がはじまった。

従って『Flash=金脈』という図式が成り立ち、視聴側も気持ちが冷めてしまうのは言うまでも無かったのかもしれない。そのため年々投稿作品は減少、『(・∀・)イイ・アクセス』のモチベーションも下がっていく。

Flashの黄金期は静かに終わりを告げようとしていた。終わりを告げると言うより新しいメディアにとって代わってたのかもしれない。

現に『ソコ』には今もなお黄金期を支えた名作を楽しむこともできるし、常に最新の素晴らしい動画をリアルタイムで発見できる素晴らしいシステムが当たり前のように存在している。つまり誰かが更新する必要はなくなった。


―なぜ(・∀・)イイ・アクセスは閉鎖したのか。

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さて、なぜ閉鎖したのか本人の意見を聞いてみないことには真相は分からない。幸い、ひろぶろのような突然消えると言うパターンではなかった。本人によると以下のコメントが残されていた。


『これまでニュースサイトとして様々な情報を送ってきましたが、現在の更新スタイルには 前々から限界を感じていました。ちょうど良い機会ですので予定より少し早くなりましたが、本日をもちまして“ニュースサイト” としてのイイ・アクセスは終了とさせていただきます。』


多くは語らないが、限界を感じたという。ここまで振り返ると何故といより、来るべくして来たと思える。続けてほしい気持ちは山々だが、新たな出発をするというコメントもあったのでその時まで気長に待つのが本人の為に良いのかもしれない。

いずれにせよ『(・∀・)イイ・アクセス』の閉鎖により、Flash黄金期が本当に幕を下ろしたのだと、自己暗示をかけておきたいところだ。

(ライター:たまちゃん)

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