19世紀に死んだ人間を撮影する19世紀に頻繁に見られた驚きの風習があったらしい

 

腰を深く落とし映写機の向こうの被写体をグッと睨み付けるカメラマン。どっかりと椅子に座っているその”被写体”。所々傷があるようなこの古いセピア色写真。一見よく見る「昔の写真」だが 見れば見程強いたっぷり違和感を感じる。被写体の紳士の全てが不自然なのだ、ただ無造作に投げ出された脚 ぶらりと重力に従ってただ下がっている腕、そして どこを見ているのか不確かな その表情。まるでこの紳士の時だけがピタリと止まってしまっているかのようだ。実は 紳士の時間は本当に止まっているのである。なんと この被写体は既に亡くなっているというのだから その不自然さに納得は出来る。が、衝撃的でもある。今回は19世紀で一般的であった「死者のポートレート」のご紹介。

この死者の写真、19世紀末の中流階級の市民に広く浸透していたようだ。これらの写真は葬式によく用いられ、故人の棺に家族と一緒に撮った写真が入れられたのだ。これはアメリカよりもヨーロッパ地方に根強く残る風習。本来は写真ではなく抽象画が用いられるのだが ダゲレオタイプ(銀板写真方)が発達するにしたがって 抽象画を依頼するより 写真に収めるほうが安価であり、ようやく一般市民にも手が届くようになってくる。当時幼児死亡率が高かった為 衣服をまとって家族に囲まれた多くの子供の写真が残っている。既に息は絶えているが 写真の出来上がりの工程で色を添えたり または 目を開かせたりし、あたかもまだ生存しているように見せ撮影した。

 

これらの撮影方法は1839年に一般市民に浸透し のち20世紀の前半にはスナップ写真へと写り変わっていったとの事。

【参照記事】
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2270169/Post-mortem-photography-Morbid-gallery-reveals-Victorians-took-photos-DEAD-relatives-posing-couches-beds-coffins.html

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(ライターSKKC)

16 COMMENTS

秒刊名無し

本来は葬式に抽象画を用いるという風習がいまいちよくわからないんだけど
もしかして肖像画って言いたかった?

名無し

二枚目の母親と思われる女性。目力ありすぎ!

秒刊名無し

なんだか頭の悪そうなサイトですね^^

秒刊名無し

子どもは…切ないね。
レンズを見つめる母親の心情を思うと苦しい

秒刊名無し

これ動かないから撮りやすいって理由じゃないのかな?

ななし

子供の写真は辛いね。昔々の写真だけど、写真の母親の気持ちを思う。
医療の進歩に感謝です…

みわみわ

この時代、抽象表現主義はまだじゃない?
私も肖像画だと思います。

秒刊名無し

普及したといってもまだまだ写真は贅沢品だった時代
その人の人生最後の(人によっては唯一の)この世に残す肖像写真ということで
手法自体は現代からみるとグロテスクなものの
込められた愛情は伝わってきますよね
ちなみに翻訳されてないけど写真集もあったりします。
昔『サライ』で海外新刊として紹介されていたとき買いました。
不謹慎ですが見応えあり。今はめっちゃ高値^^;
『Sleeping Beauty: Memorial Photography in America』(Stanley B. Burns,Twelvetrees Press,1990)

秒刊名無し

抽象画・・・・
誰もチェックしてないのか、それともチェックする奴らもバカなのか

はなもげら

「アザーズ」だっけ?
ニコールキッドマンの映画のキーアイテムとして出てたよね

未蛙

浄土変+施無畏+外五鈷仏の五智+麼尼宝+幢幔旗挿しもの+1字金輪版智剣印+開敷蓮華
大日山金剛華寺瓦供養+栂尾祥雲全集II他

掲載の写真はまだいいけど、芸術性を求めたのか骨を折ったり背中に棒を差し込んだりと、居眠りのようにポージングさせたものも多数ある
海外には死者写真のコレクターまでいる
ちょっと理解に苦しむ

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