視覚障害者は健常者より4倍以上も悪夢を見る確率が高いという研究結果が明らかに

 

人間の睡眠は、およそ90分周期で入れ替わる「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」によって構成されている。レム睡眠のレムは、Rapid Eye Movementの略だ。体は休息しているのに脳だけが覚醒しているため、まるで何かを見ようとしているかのように眼球がまぶたの下でグルグルと動き続けている状態を指す。
人はこのレム睡眠の時間帯に夢を見るが、時には思い出したくもないような怖い夢を見ることも少なくない。デンマークの睡眠医学研究グループの実験により、視覚障害者は健常者よりも悪夢を見やすい傾向にあることが判明した。

コペンハーゲン大学の脳科学研究所にて、生まれつき目の見えない人が11人、後天的に視力を失った人が14人、問題なく目の見える人が25人、計50人が被験者として集められ、普段見ている夢について各々に記述してもらった。

その結果、生まれつき目の見えない方は、およそ25%の確率で悪夢を見ていることが判明した。目の見える方が悪夢を見る確率はおよそ6%。後天的に視力を失った方でもわずか7%であり、非常に顕著な数値であることが分かる。

視覚障害者の方々に悪夢の内容を尋ねると、「車に轢かれそうになった」、「足を踏み外して地面に落下した」、「人前でコーヒーをこぼして恥ずかしい思いをした」などの回答が得られた。無論、映像を伴わない夢ではあるが、聴覚や触覚などの感覚で得られたイメージが頭の中で再現されるという。明らかに、そのほとんどが視覚障害者ゆえに味わう日常生活での嫌な体験に基づいている。

同大学で神経科学研究所の代表を務めるアルバート教授は、視覚障害者の方々が悪夢を見やすい理由を「社会の中で生き残るために不可欠な記憶処理の一環」と推測している。

人間が夢を見るのは、覚醒時に収集した膨大な量の情報を整理するためだ。生きていくうえで重要な情報を記憶として定着させれば、将来の危険を回避しやすくなる。まして、目の見えない人間にとってはできるだけ多くの生活情報が不可欠。道を歩く時は車を警戒、物を持つときは落とさないように注意などの危機意識を強めることで、安全に行動できるスキルを養っているわけだ。

実際、視覚障害者の大半は怖い夢を見ることをありふれたことだと見なしており、あまりストレスにはなっていないという。まさに脳が紡ぎ出す生きる知恵と言えよう。

最近では視覚障害者を侮辱する卑劣な犯罪が増えつつあるが、我々はもっと彼らの生命力に敬意を払わなければならないのだ。

―海外の反応

・考えさせられる話だね。
・俺達は怖い夢を見たら明かりを点けて気持ちを落ち着かせられるけど、盲目の人たちにはそれすらできないんだよなぁ。今まで考えたこともなかったけど、不憫な話だよ。
・目の見えない人がどういう風に夢を「見てる」のか興味あるな。
・俺もそれがずっと気になってた。
・俺たちが抱えてる恐怖の対象は必ずしも視覚できるものとは限らないだろ。漠然とした不安とか不幸とか、そういう情念を感じてるんじゃないのか。
・きっと夢の中だったら目が見えるようになるんだよ。
・視覚障害者は健常者の4倍以上寝てるっていうオチかと思ったw
・興味深い実験だが、被験者の比率がおかしくないか?
・そもそも被験者の数が少なすぎるだろ。適当に集めた50人を三つのグループに分けても同じような結果になると思うぜ。
・「悪夢」の定義は何だ?人前でコーヒーをこぼしたくらいで悪夢だなんて言い出したら、どんな夢も悪夢になるじゃないか。
・視覚障害者は毎日苦労しながら生きてるんだから当然の話さ。
・同じ視覚障害者でも、生まれつき目の見えない人だけが悪夢を見やすいのか。きっと幼少期のトラウマ的な体験が影響してるんだろうな。
・聴覚障害者の場合はどうなんだろう?
・むしろ悪夢を見る方が楽しいと思ってしまうのは俺だけか?
・こういう研究は是非続けてもらいたいね。

掲載元
http://www.reddit.com/2in6qj/

(ライター:sha-la-ku)

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