【考察】何故メディアは「高齢ドライバー事故増加」を煽るのか。事故数を調査してみた。

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最近巷では「高齢ドライバーの」「高齢者による」・・・といった事故の報道が相次ぎ、年末年始にかけても多くの数多くの高齢ドライバーが事故を起こしているという印象を受けます。しかし実際に高齢ドライバーの事故はふえているのでしょうか?報道では増えているように感じますがデータはどうなっているのだろうか。



ー警視庁のデータ

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さて高齢者による自動車事故の数が増えているかどうか、それは警視庁のデータを見ればすぐにわかります。例えば上記の統計は2016年の「上半期の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について」のPDFの中にあるデータです。

参照:上半期の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001159583

これを見ると最も多いのは確かに80歳以上。がしかし平成18年から比べるとほぼ横ばい。70~79歳はむしろ減っております。

上記グラフは全体的に俯瞰したものですが、更に高齢者だけを抽出してえられた結果もあります。それがこちら

ー自転車/自動車中における高齢者死者数

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上下はしておりますが、平成18年から比べると減ってはおります。ただし一旦平成20年あたりに一気に事故が減っているが再びそこから上昇しているという問題もあります。

※飲酒運転行為等を行った者に対する罰則の強化 (平成19年9月19日施行)による影響の可能性も。

ー内閣府のまとめ

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内閣府もまとめております。
全体的に死者数は減少傾向にあるが、65歳以上の高齢者の割合が増えている。

交通事故死者数の減少幅は縮小傾向にあり,交通事故死者数全体に占める65歳以上の高齢者の割合が高い水準で推移している。

死者数の減少幅が縮小している背景としては,「高齢者人口の増加」,「シートベルト着用者率等の頭打ち」,「飲酒運転による交通事故の下げ止まり」を挙げることができる。

以上を踏まえると、高齢者人口が増加したことにより相対的に事故率が高まるという可能性があるということです。まとめますと

・高齢者ドライバーの事故は急激には増えていない。
・しかし、高齢化社会を迎え高齢者の事故は増えていくと予測される。
・今のうちに法の整備、インフラ整備が必要? 

メディアの報道を耳にすると最近、極度に増加しているように感じますが、そうではなく今後増加していく恐れがあるという点を踏まえておけば良さそうです。

警視庁
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001159583

内閣府
http://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h27kou_haku/gaiyo/genkyo/h1b1s1.html

 (秒刊サンデー:Take)

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